車の扱いが好きな人の中には、「中古車屋を開業してみたい」と考える人がいるでしょう。
新車を扱うディーラーはハードルが高そうなため、中古車に興味を持つ人は増えています。
ただ、中古車屋を開業してみたいものの、具体的にやるべきことは分からない人が大半でしょう。
なんとなくのイメージだけを持っていても不思議ではありません。
今回は中古車屋の開業についてご説明します。
手続きさえすれば中古車屋の開業はできる
中古車屋の開業をしたいと考えていても「一般人には無理なのではないか」と考えてしまうかもしれません。
しかし、実際には必要な手続きをすると中古車屋の開業は可能です。
具体的には必要に応じて以下の手続きをします。
- 古物商許可の取得
- 自動車リサイクル法引取業登録
- 自賠責の代理店登録
まずは中古車屋を開業するためにどのような手続きが必要となってくるのかご説明します。
古物商許可の取得
中古車屋を開業するにあたり必ず必要となるのが古物商許可です。
古物商許可は簡単に説明すると中古の商品を取り扱うために必要な許可です。
リサイクルショップなど中古品を扱うお店は自由に開業できず、必ず古物商許可を取得してから開業しなければなりません。
古物商許可を取得するためには、所轄の警察署への申請が必要です。
警察から許可を受けて初めて古物商の取引ができるようになるため、中古車屋を開業するためには必ず警察署に行って手続きが求められます。
中古車屋を開業するために古物商許可を申請するならば「許可申請書(古物営業法施行規則別記様式第1号)」と呼ばれる書類を用意しなければなりません。
こちらの書類で警察署に申請しますので、内容を間違えないように丁寧に作成しましょう。
ただ、こちらはあくまでも申請書で、申請の際には様々な添付書類が求められます。
添付書類は古物商許可を申請するのが個人か法人かによって内容が異なります。
具体的には以下の添付書類を用意しなければなりません。
◆個人の場合
- 略歴書(本人と営業所の管理者)
- 本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し(本人と営業所の管理者)
- 誓約書(本人と営業所の管理者)
- 身分証明書(本人と営業所の管理者)
- URLの使用権限があると証明できるもの(ネットショップも開業する場合のみ)
◆法人の場合
- 法人の定款
- 法人の登記事項証明書
- 略歴書(役員全員と営業所の管理者)
- 本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し(役員全員と営業所の管理者)
- 誓約書(役員全員と営業所の管理者)
- 身分証明書(役員全員と営業所の管理者)
URLの使用権限があると証明できるもの(ネットショップも開業する場合のみ)
必要な書類が揃ったならば警察署に出向き古物商許可の申請をします。
内容を確認され問題がなければ、中古車屋の開業に必要な古物商許可が取得できます。
ただ、書類の不備などが指摘されるケースが多いため、何かしら警察から不備の指摘があった場合は速やかに対応するようにしましょう。
また、特に問題がなくても古物商許可の取得には40日程度は必要になるとされています。
中古車屋を開業する際は、古物商許可の取得に必要な時間を踏まえてスケジュールを決定しましょう。
なお、開業にあたり古物商許可の取得が不安な場合は行政書士法人経営サポートプラスアルファにご相談ください。
個人では不備が出やすい申請も、不備なくスムーズに申請可能です。
自動車リサイクル法引取業登録
中古車屋で売買だけではなく廃車の引き取りをしたいならば、自動車リサイクル法引取業登録が必要です。
自動車の引き取りは自由に行えるのではなく、事前に登録しておかなければ引き取りできません。
古物商許可の申請とは異なり、こちらの申請は居住地を管轄する役所や保健所の窓口で申請します。
中古車屋を管轄する窓口で申請する仕組みではないため、申請先を間違えないように注意しておきましょう。
また、申請の際には住民票や登記簿謄本など身分を証明するものが必要です。
法人として中古車屋を開業する場合は登記簿謄本を利用する場面がいくつもあるため、事前に複数部数取得しておくとスムーズに手続きできるでしょう。
なお、自動車リサイクル法引取業登録は申請してから許可されるまで2ヶ月程度が必要です。
古物商許可よりも時間を要するため、中古車屋で廃車の引き取りもしたいならば、こちらの手続きを優先した方が良いでしょう。
自賠責の代理店登録
中古車を含めて自動車類は事故に備えて自賠責に加入しなければなりません。
中古車屋を開業するにあたり自賠責に加入できるようにしておくと、中古車を購入するユーザーの利便性を高められます。
基本的に保険の代理店になるためには、保険会社が定める試験などに合格しなければなりません。
場合によっては自分で時間を割いて勉強する必要があり、中古車屋を開業するまでの負担になってしまいます。
ただ、中古車屋で保険に加入できるかどうかはユーザーにとって大きなポイントです。
加入できなければ他の保険代理店などを利用して、中古車に自賠責をかけなければなりません。
そのような状況は可能な限り避けるべきであるため、中古車屋を開業する際は自賠責を取り扱えるようになっておくのが理想です。
中古車屋の開業に向けた大まかな流れ
上記で中古車屋を開業するにあたりどのような準備が必要になるのか理解してもらえたでしょう。
その内容も含め続いては中古車の開業に向けた大まかな流れをご説明します。
中古車屋の開業1:個人か法人かの選択
中古車屋を開業するにあたり個人か法人かを選択しなければなりません。
必要な届け出さえすればどちらでも開業できるため、自分に適したものを選択するべきです。
テレビCMなどを見ると法人の中古車屋が多い印象を受けます。
ただ、実際には個人の中古車屋も多くあり、
法人で開業しなければならないルールではありません。
個人も法人もそれぞれにメリットやデメリットがあるため、総合的な判断をしなければなりません。
中古車屋の開業2:法人登記
中古車屋を法人で開業する場合、開業に向けて法人登記をしなければなりません。
各種届出は法人名義で行わなければなりませんので、事前に法人設立の手続きを済ませておきます。
法人設立をするためには、様々な書類を用意しなければなりません。
法務局のサイトに必要な書類のサンプルが公開されているため、こちらを参考に作成しましょう。
開業する会社が株式会社か合同会社かによって必要な書類は異なります。
サンプルを参考にすれば自分でも会社設立できますが、中古車屋を開業するにあたり他のことに時間はかけたくない人が多いでしょう。
そのため中古車を法人で開業する場合は、経営サポートプラスアルファに手続きをお任せください。
手数料無料で24時間受付のプロが中古車屋の開業に向けて法人登記をサポートします。
中古車屋の開業3:各種届出
必要に応じて法人登記をしたら、各種届出をしましょう。
冒頭でご説明したとおり古物商許可の取得などに向けて手続きをしなければなりません。
繰り返しますが法人で中古車屋を開業する場合、事前に法人登記が完了していなければなりません。
登記簿謄本など登記手続きが完了してから取得できる書類が必要となるため、法人で開業したい場合は誤って個人で手続きしないようにしましょう。
具体的な手続きについては先ほどご説明しましたので割愛します。
それぞれの手続きに時間を要することを踏まえて、続いてご説明する準備作業などを進めていきましょう。
中古車屋の開業4:中古車の調達
中古車屋を開業するためには販売する中古車の調達が必要です。
事前に何台程度必要となるのかを決定し、実際に調達作業をしていきましょう。
中古車を調達する方法はさまざまあります。
一般的な物は中古車を購入する方法ですが、それ以外にも中古車のオークションサービスを利用する方法などもあります。
オークションサービスを利用するとなると事前にオークションへの入会手続きが必要となるため、中古車屋の開業でオークションを利用するならば事前に手続きしておくべきです。
また、単純に中古車を調達するだけではなく、調達した中古車の整備をしなければなりません。
基本的に中古車屋は、ユーザーが直接中古車を見たり触ったりしながら確認します。
この時に不備があっては困りますので、事前にしっかりと整備しておきます。
中古車屋の開業4:必要な備品の準備
開業にあたり必要なのは中古車だけではありません。備品を購入して開業に備えなければなりません。
例えば中古車を常にきれいに保つため、洗車用具を用意しなければなりません。
中古車を屋内に展示する場合も屋外に展示する場合も、多少は自然と汚れてしまいます。
見た目の綺麗さは売上にも影響するため、可能な範囲で洗車するための備品は用意しておきましょう。
また、中古車の座席に座るなど実際にどのような車か体験してもらう可能性があります。
最近は消毒なども重要視されているため、車内の清掃や消毒に必要な物を揃えておくとユーザーの安心度が高まります。
他にも中古車屋をアピールするために、開業に伴う販促グッズなどを用意しておくと良いでしょう。
初期投資を抑えたいと考えるかもしれませんが、販促に関わるものは中古車屋を開業してスタートダッシュを切るためにも準備しておくべきです。
他には事務用品なども用意しておきましょう。
中古車屋では契約書など様々な書類を記載してもらう可能性があります。
そのような時に備えて自分で利用するものだけではなく、ユーザーに利用してもらうものも用意しておくべきです。
まとめ
中古車屋の開業についてご説明しました。
中古車屋は自由に開業できるのではなく、開業のために適切な手続きを踏まなければなりません。
許可なく開業すると法律違反となってしまうため、必ず手続きを踏んで開業するようにしてください。
中古車屋を個人で開業するか法人で開業するかに指定はありません。
どちらでも開業ができるため、自分が適した方法を選択するようにしましょう。
なお、中古車屋開業の準備をしながら、法人登記の手続きをするのは手間のかかる作業です。
そのため、会社設立まで手が回らない場合は24時間受け付けで手数料無料の経営サポートプラスアルファにお任せください。