事業目的はたくさん書いても大丈夫?知っておきたいメリットとデメリットを解説

定款を作成する際には事業目的を書かなくてはなりません。定款の絶対的記載事項ですので、事業目的無しに定款は完成しません。

そして事業目的を書くときに気になるのは「たくさん書いても問題にならないか」との部分でしょう。これから色々な事業をしたい場合は、必然的に事業目的も多くなります。今回は事業目的をたくさん書いても良いのかについて解説します。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

事業目的はたくさん書いても問題ない

結論として事業目的をたくさん書いても問題ありません。事業目的の個数について心配されている人がいるかもしれませんが、特に心配する必要はないのです。まずはその理由とたくさん書く場合の注意点などを解説します。

法律上は事業目的の数に制限はない

現在は事業目的の個数を制限する法律は存在していません。そのため事業目的をたくさん書いても、定款などに何ら問題は発生しません。

会社の設立に関わる法律は、会社法などを中心として様々存在しています。これらの法律に定款の記載内容に関わる制約事項が記載されていて、事業目的はこれを踏まえて書かなければなりません。ただ、これらの法律には事業目的が絶対的記載事項であることは定められているものの、その個数についての制限は定められていません。

特に制限がないということは、事業目的をたくさん書いても差し支えないということです。会社で多くの事業をしているならば、たくさんでもそれら全てを記載しておくべきなのです。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

事業目的の適格性は意識する

事業目的をたくさん書くことに問題はありません。ただ、それぞれの事業目的について適格性は意識するようにしましょう。事業目的は適格性を意識していなければ、法務局で指摘されてしまう可能性があります。

事業目的の適格性には、以下の通り大きく3つの観点があります。

  • 明確姓
  • 適法性
  • 営利性

これらを満たせるように書かなければならないのです。

まず、事業目的は明確に書かなければなりません。誰が見てもわかりやすいように書かなければならず、可能な限り専門用語の利用などは避けます。たくさん書く場合は、それぞれについて分かりやすい言葉を心がけます。

また、たくさんある事業目的は、全て適法でなければなりません。法に触れるような内容は事業目的にできませんので、言うまでもありませんが事業としてはいけません。

また、どの事業目的も営利のためにしなければなりません。ボランティアなど客観的に見て非営利目的だと考えられるものは、事業目的にできないのです。

たくさん事業目的を書く場合は、全てについて適格性を意識しましょう。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

基本的に事業目的の範囲内でのみ事業が可能となる

会社は基本的に定款に書かれている事業以外ができません。そのため、会社でたくさんの事業をするならば、事業内容もたくさん書くしかありません。

会計の観点から考えると、事業内容に書かれていない事業での収入は雑所得に分類されます。つまり、本業以外で稼いだお金だと判断されるのです。仮に金額が大きかったとしても、本業の売り上げだとは認めてもらえなくなります。

本業の売上であると認めてもらえなければ、売上額が大きくなっても会社の評価に繋がりません。むしろ「本業以外で稼いでいる会社」と判断されてしまい、不信感を抱かせてしまうかもしれません。

会社は事業目的の範囲内で事業をしなければなりません。この基本ルールを達成するために、事業目的がたくさんになってしまうのはやむを得ないのです。

事業目的がたくさんあるメリット

事業目的がたくさんあるとメリットを生み出します。例えば以下のメリットが挙げられます。

  1. 定款修正の手間が省ける
  2. 記載漏れによるトラブルが防げる
  3. 「前各号に附帯関連する一切の事業」で細かい部分も網羅できる

それぞれのメリットについて具体的に解説します。

事業目的がたくさんあるメリット1:定款修正の手間が省ける

事業目的がたくさんあると定款修正の手間が省けます。会社を設立した後に新たに事業を開始する場合、事前に事業目的を書いておけば定款の修正をしなくても済みます。

上記でも説明したとおり、基本的に会社は事業目的の範囲内でのみ事業ができます。そのため新しく事業を始める場合は、その内容を定款に事業目的として追加しなければなりません。

しかし、最初から事業目的をたくさん書いておくと、後から修正する手間が省けます。最初から書かれていた事業目的のどれかに該当すれば、問題なく事業を行えるのです。

定款を作成したり更新したりするタイミングで、事業目的はたくさん記載できます。先を見据えてたくさん記載しておくと、必要に応じて修正する手間が省けます。

事業目的がたくさんあるメリット2:記載漏れによるトラブルが防げる

定款の事業目的に記載漏れがあると、何かしらトラブルが発生する可能性があります。このトラブルを防ぐために、事業目的をたくさん書いておくとよいでしょう。

例えば事業目的をたくさん書いておけば、会社の売上が雑収入に振り分けられる可能性が下がります。事業目的に書かれていない売り上げは本業以外の売上と扱われますが、事業目的がたくさんあるとそのようなトラブルを防げるのです。

事業目的に記載漏れがあると、会計処理やクライアントとの取引においてトラブルが起きる可能性があります。このようなトラブルを事前に防げるのがメリットです。

事業目的がたくさんあるメリット3:「前各号に附帯関連する一切の事業」で細かい部分も網羅できる

事業目的をたくさん書くと、細かい部分の網羅ができない可能性があります。「たくさんの事業目的に含まれているつもりであった」などの事態が起きても不思議ではありません。

しかし、事業目的がたくさんあっても「前各号に附帯関連する一切の事業」と最後に含めておけば細かい部分も網羅できます。事業目的に抜け漏れがあると指摘される可能性を減らせるのです。

事業目的をたくさん書くメリットは「多くの事業を行っても抜け漏れが無いこと」です。「前各号に附帯関連する一切の事業」を追記しておくと、このメリットを最大限活かせるようになります。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

事業目的がたくさんあるデメリット

事業目的がたくさんあると残念ながらデメリットも生み出します。例えば以下のデメリットが挙げられます。

  1. クライアントから信用されにくい
  2. 金融機関から融資を受けにくい
  3. 事業目的を減らす手続きに費用がかかる

続いてはデメリットについてもご説明します。

事業目的がたくさんあるデメリット1:クライアントから信用されにくい

事業目的がたくさんあると、クライアントから信用されにくいデメリットがあります。これは多くの事業目的があることで「何をしている会社かわからない」と判断されてしまうからです。

一般的に会社は、事業目的に書かれている内容の大半を行っています。事業目的の全てを行っている会社は多く、たくさんの事業目的があれば全てを行っていると判断するものです。

つまり、事業目的が10種類ある会社ならば、客観的には10種類の事業を行う会社だと判断されます。10種類も事業を行っていれば、「何をしている会社が判断できない」と捕らえられてしまうのも想像に難くないでしょう。

事業目的がたくさんあると、クライアントに上記のような印象を与えてしまいます。それが不信感に繋がり、信用を勝ち取りにくくなってしまうのはデメリットです。

事業目的がたくさんあるデメリット2:金融機関から融資を受けにくい

事業目的がたくさんありすぎると、金融機関から融資を受けにくくなります。事業目的がたくさんあるために、どのような理由で借入したいのか判断しにくいことが背景にあります。

基本的に金融機関へ借入を申し込む際は、定款など事業目的が分かるものなどを提出します。その他にも借入理由などがわかる書類を提出して、融資の可否を審査してもらうのです。

この時に事業目的がたくさんあると、「どの事業のために申し込みしてるのか判別できない」と考えられてしまう可能性があります。基本的には事業計画などを提出しますが、「実際には申し込み内容とは別の事業にお金を使うのではないか」などと疑われてしまう可能性があるのです。

もちろん事業目的がたくさんあっても、申し込みした用途でしか融資金を使わない会社が大半です。しかし、金融機関からすると不安が残ってしまうために、リスク回避のためから融資を断られてしまう可能性があるのです。

事業目的がたくさんあるデメリット3:事業目的を減らす手続きにコストがかかる

事業目的がたくさんあると、上記のようにデメリットがあります。そのため直近で行なっていない事業については、事業目的から削除する選択肢があります。

ただ、事業目的を削除するためには、定款の修正をしなければなりません。定款を修正するためには、変更するための書類を作成したり費用を支払ったりしなければなりません。つまり、たくさんの事業目的から必要なものを残すためにコストがかかるのです。

確かに最初から事業目的をたくさん書いておけば、後から追加する手間が省けます。これについてはメリットであると先程ご説明しました。 

ただ、メリットがある反面で、たくさんかけすぎるとデメリットになってしまう可能性があります。そしてデメリットを感じるようになると、定款修正が必要となりコストがかかるといったさらなるデメリットを生み出します。

事業目的をたくさん書いておくメリットを受けるためには、直近数年以内の事業に絞った方が良いでしょう。それ以降については未定の部分もあると思われますので、必要に応じて定款を修正するのが無難です。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

まとめ

事業目的をたくさん書いても良いのかについて解説しました。結論的には事業目的をたくさん書いても何ら問題がありません。

事業目的をたくさん書いておくと、事業目的の追加をする手間を省ける可能性が高まります。会社設立時にたくさん書いておくと、新しく事業を追加しても定款修正をしなくて済むでしょう。

ただ、事業目的をたくさん書くと「何をしている会社か判断できない」との問題を生み出します。この点については、デメリットですので注意しなければなりません。

なお、事業目的をたくさん書いて良いのか悩んだ際は「経営サポートプラスアルファ」にご相談ください。定款の作成に関して多くの知識を保有していますので、事業目的をたくさん書くべきかどうかのアドバイスをします。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順
NO IMAGE