株主と役員の違いは大きく4つ!どちらの立場でも抑えておきたい内容を解説

株式会社で知っておきたい知識に株主と役員の違いがあります。なんとなく理解できている人は多いと思いますが、正確な説明ができる人は限られているのではないでしょうか。

これから会社を設立したり会社に投資したりするのであれば、これらの違いを正しく理解できていなければなりません。今回は株主と役員の違いについて詳しくご説明します。

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株主と役員の意味

最初に株主と役員の意味についてご説明します。言葉の意味を理解して、その後に株主と役員の違いについて理解するようにしていきましょう。

株主とは

株主とは株式会社の株式を購入して、会社に対して出資をしている人や組織を指します。株式を購入している状態であれば株主ですので、個人だけではなく法人などが株主になる場合もあります。例えば大手企業では親会社が法人として子会社の株を100%保有している場合が多々あります。

株主は会社に対して出資をしますので、出資している割合に応じて会社に意見ができます。基本的には保有している株式の数だけ議決権を持っていて、多くの場合は多数決で物事を決定します。そのため多く出資して多く株式を保有していれば、影響力の大きい株主となります。

ただ、株主は出資をしていて会社の保有者とはなりますが、会社員とも役員とも異なる立場です。あくまでも出資をしているだけですので、会社の運営や経営に直接関わる立場ではありません。中小企業では株主が役員を兼ねている場合が多くありますが、法律的な観点では株主と役員との違いは大きなものです。

役員とは

役員は中心となって会社の運営を進めていく立場です。会社の経営者であると考えるとよいでしょう。株主は会社の所有者ですので、株主と役員の違いは「経営と所有の分離」との言葉で表現される場合が多くあります。

役員とひとまとめにされる場合も多いですが、実際には役員の種類もいくつかあります。例えば以下のような役員が考えられます。

  • 取締役
  • 会計参与
  • 監査役
  • 執行役
  • 理事
  • 監事

会社法や会社法施行規則では、これらの役職にある人が役員だと定められています。なお、役員は法律上の立場であり会社内での役職と必ずしも一致するとは限りません。例えば「社長」との言葉はよく耳にしますが、会社法ではこのような役員の定義はないのです。

また、役員はどの種類に所属するかによって、担当する業務内容が異なります。基本的に会社経営の方針を決定するのが取締役で、取締役を会計面でサポートするのが会計作業です。他にも会社の健全性を証明する監査役や現場のトップに該当する執行役員などが存在します。

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株主と役員の4つの違い

大まかに株主と役員の特徴についてご説明しました。大枠ではありますが株主と役員のそれぞれについて理解してもらえたのではないでしょうか。続いては、それぞれの特徴を踏まえると、株主と役員の違いには以下5つがあります。

  1. 会社の所有者であるかどうか
  2. 会社の経営に責任を持つかどうか
  3. 会社との任用契約があるかどうか
  4. 主体的に参加する総会

それぞれについて具体的にご説明します。

株主と役員の違い1:会社の所有者であるかどうか

会社を誰が保有してるのかという観点で株主と役員の違いがあります。

まず上記で説明したとおり、株式会社は株主のものです。株主が出資して株式会社が成り立っていますので、出資者である株主が保有者であると法律的には理解されます。

それに対して役員は、会社の所有者ではありません。会社から役員報酬を支払ってもらう代わりに、会社を運営していかなければならない立場です。少々立場は異なりますが、会社からお金を支払ってもらい仕事をするという観点では、会社員と大きく変わりません。

役員には社長が含まれますので「会社=社長のもの」とのイメージから、会社は役員のものと考える人が多いようです。そのように考えるのも不思議ではありませんが、あくまでも株式会社に出資してるのは株主です。株主と役員の違いとして、誰が所有者であるのかは重要ですので必ず理解しておきましょう。

株主と役員の違い2:会社の経営に責任を持つかどうか

会社の経営に責任を持つ立場かどうかに違いがあります。

まず、株主は会社の経営に責任を持つ立場ではありません。株主は議決権を持ちますが、あくまでも議決権を持つだけで実際の会社運営に責任を持つわけではないのです。株主と会社は「出資者」との関係で繋がっていますので、株主と役員は違い端的に表現すると株主はお金を出すだけです。

それに対して役員は会社の経営に責任を持つ立場です。会社と契約をして会社運営を任されますので、利益が出るように適切な運営をしなければなりません。もし大赤字が出るようなことがあれば、役員は経営責任を問われてしまいます。

株主は株式を購入して会社の運営について意見する立場ですので、直接会社運営はできません。逆に役員は意見される立場で、その意見を踏まえて会社運営をしなければなりません。株主と役員の違いは、まさに経営と所有の分離を象徴する部分なのです。

株主と役員の違い3:会社との任用契約があるかどうか

会社との任用契約があるかどうかについての違いがあります。

まず、株主は繰り返しですが会社に出資している立場で所有者であるのです。つまり、言うまでもなく会社から任用されているのではなく、自分の意思で出資して会社を保有しています。会社と何かしらの契約があるのではなく、出資者として会社の成長を願うような立場です。

それに対して役員は、基本的に会社との任用契約を結んでいます。契約の内容は会社によって少々違いがありますが、役員の大半は1年から3年契約で、会社の運営を任される契約を結んでいます。契約が満了するタイミングで、再度役員に就任するか退任するかなどの検討が必要となります。

このように株主と役員の違いには、会社との任用関係の違いがあります。株主と会社は任用関係にはありませんが、役員と会社には任用関係があるのです。言われてみると当たり前だとは思いますが、よく理解するようにしておきましょう。

なお、補足として執行役員ですが、執行役員は任用契約ではなく、従業員として雇用契約を結ばれている場合が多くあります。この場合は上記の説明と少々外れますが、例外的なものとして理解しておいてください。

株主と役員の違い4:主体的に参加する総会

株主と役員の違いに主体的に参加する総会が挙げられます。「どのような総会に参加して、どのような決め事をするのか」との観点において、株主と役員の違いがあります。

まず、株主が参加するのは株主総会です。株主総会は株を保有している「株主」が集まって、会社経営の意思決定を行う機関です。基本的に会社の方針などは、こちらの株主総会で決定されます。例えば株主総会には以下のような議論がされます。

  • 定款の変更や株式の発行など会社の根幹に関わる内容
  • 役員の選任や解任など人事に関わる内容
  • 余剰金の配当や役員濃集の決定など株主の利益に関わる内容

上記のような内容については株主総会で決定されます。内容については役員から発議される場合もありますが、株主総会では株主とは違い、役員の議決権はありません。役員が株式を保有していて株主である場合は別ですが、株式を保有しない役員の場合は仮に代表取締役であろうとも株主総会で議決はできません。

続いて、役員が参加するのは取締役会です。取締役会は株主総会で議決するのが時間的に困難な場合に開催され、参加する役員だけで内容の議決がされます。

例えば大企業の場合は非常に多くの株主がいます。そのため、何かしらの決め事をするにあたりこれらの株主を毎回招集して、株主総会を開催するのは現実的ではありません。ただ、株主総会が開催できないと会社の運営に支障をきたしてしまう可能性があります。

そこで株主総会の代わりに取締役会を開催し、株主に変わって会社の経営方針などを決定します。例えば以下の事項を株主とは違い役員の判断で決定します。

  • 財産の処分や借り入れなどに関わる内容
  • 支配人や支店などの設置や廃止などに関わる内容
  • 内部統制の仕組みづくりに関わる内容
  • 社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項

他にも取締役会で決定する事項はありますが、ピックアップしてご紹介すると上記のとおりです。皆さんに注目してもらいたいのは、株主とは異なり役員の判断だけで決められる事項は限られています。基本的には株主総会で様々な事項を決定し、株主総会の開催が現実的ではなく、役員の判断だけで決定しても良いものに限っては取締役会で決定されます。

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株主と役員の違いで抑えたい2つのポイント

株主と役員の違いで抑えてもらいたいポイントは2つあります。

  1. 株主と役員は対等ではない
  2. 役員の一存で会社が運営されるわけではない

それぞれのポイントについて簡単に解説しておきます。

株主と役員は対等ではない

今回株主と役員の違いについてご説明しました。ただ、株主と役員の力関係の違いについては特にご説明していません。

ここは気になる人が多いと思いますが、実は株主と役員は対等ではありません。株主は会社の所有者ですので、株主と役員では株主の方が上の立場となっています。実際のところ優劣をつけがたい部分はありますが、所有者の方が上であると考えてよいでしょう。

株主と役員の立場の力関係の違いは、会社を拡大するにあたり重要となる可能性があります。理解しておきたいポイントですので、この機会に認識するようにしておきましょう。

役員の一存で会社が運営されるわけではない

会社は役員の一存で運営されていると考えてる人がいるかもしれません。しかし今回ご説明したとおり、会社は株主のものですので役員の一存で何かが決まるわけではありません。

基本的に会社の運営方針は株主総会で決定されます。株主は株主総会で議決権を持っていて、役員はその議決内容をもとに会社を運営するのです。株主と役員には大きな役割の違いがありますので、勘違いしないように理解しましょう。

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まとめ

株主と役員の違いについてご説明しました。株主は会社の所有者で役員は会社の経営者です。株主と役員の役割には大きな違いがありますので、正しい理解が必要です。

なお、役員が株主を兼ねる場合もありますので、実際には株主と役員が完全に分離しない可能性もあります。特に中小企業では株主と役員が一致してしまう場合が多々見受けられますので、その点は理解しておいても良いでしょう。

もし、株主と役員の違いが分からず困る場面があるならば、「経営サポートプラスアルファ」にご相談ください。会社運営にあたり役員のサポートを数多く経験しています。株主と役員の違いをご説明し、皆さんの疑問を解決できるように十分なサポートをします。

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