個人事業主の決算月は12月!法人とは異なり固定されているため注意すべき

個人事業主も法人と同様に決算をしなければなりません。「確定申告」と呼ばれる作業ですので、個人事業主の皆さんには馴染み深い言葉ではないでしょうか。

確定申告にあたり、個人事業主が売上や支払いを締めて申告するタイミングにあたるのが決算月です。会社の場合はそれぞれの都合に応じて自由に設定できますが、個人事業主の場合はどうなっているのでしょうか。今回は個人事業主が決算をしなければならない決算月についてご説明します。

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個人事業主の決算月は12月で固定

個人事業主は売上や支払った経費をまとめて確定申告します。確定申告の確定日は12月ですので、必然的に個人事業主の決算月は12月になってしまいます。

そもそも税法において、個人事業主は1月1日から12月31日までが事業年度であると定められています。法律で定められていますので、個人事業主が都合のいいように変更はできません。

なお、個人事業主に対して法人は決算月を自由に決定できます。3月や12月に設定している会社が多いですが、決算月の分布を見てみると9月も多い状況です。極端に多い月は無く、法人によって満遍なく決算月を選択しています。

残念ながら個人事業主の場合は、決算月を自分の好きなように変更ができません。1月1日から12月31日を事業年度とすると、決算月は12月ですのでこの点は必ず理解しましょう。

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個人事業主が決算月以降にやるべき6つの作業

個人事業主が決算月を迎えるにあたり、多くの作業をしなければなりません。決算月を迎えた後は確定申告が待っていますので、それに向けた作業があるのです。具体的には以下の作業が存在します。

  1. 棚卸し
  2. 帳簿の整理
  3. 減価償却費の算出
  4. 回収不能金額の算出
  5. 収支内訳書の作成
  6. 確定申告書の手続き

なお、決算月以降にやるべきことは、個人事業主として白色申告を利用しているか青色申告を利用しているかによって少々異なります。必要に応じてその点もご説明します。 

決算月にやるべき作業1:棚卸し

個人事業主はまず棚卸しをしなければなりません。棚卸しとは、決算日に保有している商品など在庫の数量や金額を計算する作業です。また、商品だけではなく消耗品の在庫を抱えている場合は、これらの数量や金額も計算しなければなりません。

個人事業主が棚卸しをする場合は、最終的に棚卸し表の作成が目標となります。主に小売業の人や飲食業の人が該当しますので、個人事業主でこれらの事業をしてる人は意識しておきましょう。

個人事業主が決算月に棚卸しをする場合、基本的には税務署に届け出ている方法で計算します。もし届け出をしていない場合は、最終仕入原価法で計算するようにしましょう。

棚卸しをするために、まず個人事業主は該当する商品などの在庫を種類に分類しなければなりません。例えば衣服であればサイズごとに整理しますし、食料品であれば商品の種類と重さごとに整理をします。単価と数量の掛け算で棚卸しができるようにしましょう。

棚卸しをして数値が計算できれば、個人事業主は最終的に棚卸し表を作成します。なお、決算月になってから棚卸しをしていると、確定申告に間に合わない可能性があります。そのため、決算月に向けて計画的に棚卸しをしておくのが理想的です。

決算月にやるべき作業2:帳簿の整理

棚卸しが完了すれば、各種帳簿の作成をします。個人事業主が最終的に確定申告をするにあたり、帳簿の情報は非常に重要です。誤った情報がないかどうか決算月の段階で整理します。

基本的に確認しなければならないのは、1年間の収支に誤りがないかどうかです。例えば個人事業主としての売上が把握できる請求書や発行した領収書の合計金額と帳簿の金額に差異がないか確認します。また、逆に支出金額を確認するために、取引先から受け取った領収書の合計金額と帳簿の金額に差異がないかも確認します。

もし、帳簿の記載内容と差異が出る場合は、その理由を確認して不足している事項などは帳簿に記載しましょう。原因は様々考えられますが、例えば「個人事業主として支払っていない領収書を保管していた」「個人事業主の必要経費として帳簿に記載したにも関わらず領収書を紛失した」などが考えられます。

なお、帳簿の付け方に疑問がある場合は、国税庁のWebサイトを参照すると良いでしょう。「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」と呼ばれるページがありますので、こちらを確認してみると決算月に向けてどのような情報を用意しなければならないのかが分かります。また、具体的に帳簿の記帳の仕方についても書かれていますので、個人事業主が帳簿を作成する際は参考にしましょう。

決算月にやるべき作業3:減価償却の算出

個人事業主として固定資産を保有している場合は、減価償却費の算出が必要です。決算月の時点で減価償却資産を保有している個人事業主のみが、こちらの作業対象となります。

まず、個人事業主が確定申告をする際のルールとして、減価償却資産は支払金額がそのまま経費になるわけではありません。法律で定められた計算式を用いて算出された金額がその年の経費となります。

例えば減価償却の対象となる資産には以下が挙げられます。

  • 自動車やバイク
  • 船舶
  • パソコン
  • 複合機
  • 事務所用冷蔵庫
  • 営業権

これらの資産を保有している場合、減価償却によって算出された金額を確定申告で利用しなければなりません。

減価償却の算出をする際には、耐用年数と呼ばれる数字が利用されます。減価償却資産は税法で耐用年数が定められていて、その年数を利用して決算月時点の減価償却費を算出するのです。なお、個人事業主が決算月に対応するべき、具体的な計算方法についてはここでは割愛します。国税庁のWebサイトで解説されていますので、そちらを参照してみてください。

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決算月にやるべき作業4:回収不能金額の算出

個人事業主の取引において、残念ながら回収不能金が出ている場合は算出が必要です。例えば売掛金や受取手形などの債権が回収不能となっていれば、貸し倒れとして扱う処理が必要となります。

個人事業主の取引において、具体的にどのような状況が貸し倒れになるのかは国税庁で解説されています。例えば以下の状況が貸し倒れに該当します。

  • 更生計画認可の決定又は再生計画認可の決定があった場合において、これらの決定により切り捨てられることとなった場合
  • 特別清算に係る協定の認可の決定があった場合において、この決定により切り捨てられることとなった場合
  • 法人の有する金銭債権につき、その債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合
  • 債務者との取引を停止した時、以後1年以上経過した場合

これらは一例ですが、支払い期日を過ぎてから一定期間が経過したり民事再生手続きなどによって回収できないことが確定してしまった場合に回収不能金となります。

個人事業主も決算月に算出するべき金額ではありますが、業種によってはあまり債権が発生しない場合もあるでしょう。万が一、決算月に回収不能な債権が存在している場合にのみ意識すれば問題ありません。

決算月にやるべき作業5:収支内訳書の作成

上記の作業がすべて完了すれば、収支内訳書の作成をします。これは確定申告に利用するものですので、決算月ではなく翌年の1月や2月に作成しても問題はありません。

なお、収支内訳書は個人事業主が確定申告を白色申告で行う際に必要となるものです。青色申告を利用する際は青色申告決算書が必要です。記載しなければならない情報は概ね同じですが、書類の書き方や関連して用意する帳簿などが異なりますので注意しておきましょう。

収支内訳書は、主に売上と経費を記載して一年間の収支を算出します。収入については個人事業主としての売上のみならず、個人的に得た雑収入なども含まれます。例えば商品の売却で個人的に収入があった場合は、これらも含めた収支内訳書を作成しておきます。

また、少々複雑となるのは経費で、これは勘定科目ごとに分類して金額を記載しなければなりません。収支内訳書によく利用される勘定項目は記載されていますが、不足している場合は自分で項目を追加して作成しなければなりません。

収支内訳書については、国税庁に記載方法のサンプルが掲載されています。書き方に不安がある個人事業主はこれを参考に作成する方法が一つです。また、最近はクラウドサービスを利用して収支内訳書や青色申告決算書を作成できるようになっています。これらを利用してみるのも良いでしょう。

決算月にやるべき作業6:確定申告書の手続き

必要な書類が全て揃えば、個人事業主として確定申告をします。確定申告をするのは事業年度の翌年3月までですので、決算月に個人事業主は確定申告をするわけではありません。。あくまでも決算月から確定申告に向けて準備を進め、受付が開始された段階で申告手続きをします。

決算月から確定申告に向けて準備ができていれば、基本的には税務署に必要書類を提出するだけです。書類に不備がなければ問題なく受付してもらえるでしょう。

ただ、忘れてはならないのは確定申告と同時に税金の納付をしなければならないことです。個人事業主は確定申告するだけでは意味がありませんので、利益が出ている場合は適切に税金を納めましょう。個人事業主が関連する税金は主に以下があります。

  • 所得税(3月15日まで)
  • 消費税(3月31日まで)
  • 個人事業税

税金の種類によって支払いタイミングが異なります。個人事業主の決算月から見ると数ヶ月後の支払いとなるものばかりです。そのため、、個人事業主として事業をする場合は、税金の支払いを見据えて現金などの準備をしておく必要があります。例えば個人事業主の事業拡大にお金を使ってしまい、税金が支払えない状況は避けるべきです。決算月に必要な書類だけを作成して満足しないように注意しましょう。

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まとめ

個人事業主の決算月について解説しました。個人事業主は税法で事業年度が1月1日から12月31日と決められていますので、決算月は12月で固定されています。自分の都合が良いように変更はできません。

決算月が固定されていますので、個人事業主の場合は決算月の12月から確定申告に向けて必要書類の作成を進めます。基本的には翌年の3月15日が確定申告の締切日ですので、そこに向けて計画的な準備をしましょう。

なお、確定申告など税金に関連する経費処理などは、専門家ではない個人事業主だけで対応すると不安を感じる場合があるでしょう。そのような際は確定申告のサポートもできる「経営サポートプラスアルファ」にご相談ください。税金のプロが所属していますので、節税も視野に個人事業主が適切に経費算入するためのサポートを行います。

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