会社設立の見せ金とは!?資本金を借り入れて用意した場合のリスクを解説

会社設立の際には資本金を用意しなければなりません。現金を用意して代表者の口座に払込しておくことで、会社設立の資本金として認められます。銀行口座のコピーなどを利用して、資本金の証明をするのです。

基本的に資本金は自己資本で用意しなければなりませんが、これを見せ金で対応しようとする人がいます。見せ金とは借入金を利用して、資本金の代わりとするものです。今回は見せ金の意味とこのような見せ金を資本金にする大きな問題点について解説します。

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資本金の見せ金とは

資本金の見せ金と言われても理解できない人はいるでしょう。そもそも「見せ金」との言葉も私生活に馴染み深いものではありません。最初に資本金の見せ金とはどのような意味であるのかご説明します。

見せ金は一時金で資本金を用意する行為

見せ金は一時的なお金を利用して資本金を用意する行為です。本来、資本金は自己資金である必要がありますが、借入金などを利用して資本金とするのです。

会社設立の際には資本金としてまとまったお金が必要です。ただ、会社設立の状況によっては、いきなり高額な資本金を用意できない場合があります。そのため一時的に借入を利用して、そのお金を見せ金として資本金に利用するのです。

見せ金を利用すると、表向きは資本金があるように見えます。しかし、実際には資本金がありませんので、後ほど大きなトラブルになる可能性があります。

法律で見せ金は禁止されている

先ほども説明したとおり、見せ金とは一時的に資本金があるかのように見せかける行為です。このような行為はトラブルを引き起こす可能性があり、トラブルを防ぐために法律で禁止されています。

例えば見せ金で会社設立登記をすると「公正証書原本不実記載等罪」に問われる可能性があります。事実とは異なった内容を、公正証書に記載しようとした罪です。つまり簡単に説明すると、虚偽の内容で会社設立をしようとした罪に問われます。

また、会社法第52条は、見せ金を利用した場合に発起人に見せ金の全額を支払うように定めています。もし支払いができなかった場合は会社設立自体が認められなくなるなど、大きな責任を負うように法律で考えられています。

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会社設立で見せ金はバレるのか

会社設立にあたり、見せ金がバレるのかどうかは非常に大きなポイントです。法律で禁止されていますので資本金を見せ金にするのは避けなければなりませんが、もし誤って見せ金にしてしまった場合を想定して考えてみましょう。

会社設立時にはバレにくい

資本金に見せ金を利用しても、会社設立時にはバレにくい傾向にあります。これは会社設立時は登記に必要な資本金が払い込みされているかどうかしか確認されないからです。資本金がどのように用意されたのかについては、基本的に法務局は意識しない部分です。

会社設立の手続きはあくまでも資本金を用意できてるかどうかだけが重要視されます。これは通帳のコピーなどと申請用紙によって証明しますので、その資本金が見せ金であるのかどうかは法務局では判断しにくいのです。

ただ、仮に法務局が「この入金は見せ金ではないか」と気づいたとしても指摘されることはないでしょう。先ほどご説明したとおり、法務局は資本金の払い込みが問題なくされていれば手続きを受理するのです。会社設立の段階で見せ金がバレる可能性は低いと考えて差し支えありません。

融資を受ける際にほぼバレる

見せ金は銀行から融資を受ける際にほぼバレます。特に創業融資を受ける際は自己資金の証明などが必要で、こちらを証明する際に見せ金がバレてしまうのです。

見せ金がばれてしまう理由は様々あります。例えば以下のような理由で、資本金が見せ金であるとバレてしまいます。

  • 急に高額な入金があった
  • 個人からの入金が多い

例えば会社員の場合は、毎月安定した収入を得ているはずです。言い換えるとそれ以外の収入は、ボーナスの時期を除きあまりないものです。

しかし、新会社設立の前に急に高額な入金を受けている例が見受けられます。このような状態は「資本金を得るために高額の入金を得たのではないか」と見せ金を疑われてしまうのです。過去に何かしら同様の入金があれば疑いは少なくなるかもしれませんが、不自然な入金は疑われる原因となります。

また、法人ではなく個人からの入金が多い場合も注意が必要です。最近は会社員であろうとも副業をしている人は多く、給料以外の振込を受けている可能性はあります。そのため複数の法人から振り込みを受けている場合については、金融機関も見せ金だと疑う可能性が低くなります。

しかし、個人からの入金については、その理由が判断しにくくなってしまいます。そのため、銀行としては「資本金に充当するためにお金を用意したのではないか」と疑いを持ってしまうのです。

借入の条件にもよりますが、通帳のコピーは過去6か月程度提出するのが基本です。そのため過去と比較して、会社設立前に不自然なお金の動きがあると、見せ金だと疑われ隠し切れなくなりバレてしまうのです。

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会社設立の資本金で見せ金を利用する4つのリスク

資本金に見せ金を利用すると、会社設立にあたり以下のようなリスクを負います。

  1. 金融機関からの信頼を失う
  2. 法律違反で処罰される可能性がある
  3. 会計処理に不都合が生じる
  4. 会社設立が無効になる

それぞれについて、具体的にどのようなリスクであるのかを解説します。

資本金に見せ金を利用するリスク1:金融機関からの信頼を失う

資本金に見せ金を利用する大きなリスクは、金融機関からの信頼を失うことです。金融機関からの信頼を失うと融資が受けられなくなり、会社設立後の事業拡大に大きな影響を与えます。

先ほどご説明したとおり、資本金に見せ金を利用していると融資の際にほぼバレてしまいます。見せ金を利用している場合は会社を設立してすぐに融資を受けることになりますので、早々に見せ金であることがバレてしまうのです。最初に融資を申し込んだ銀行の時点でバレてしまうと考えてよいでしょう。

最初にご説明したとおり見せ金は違法行為です。そのため見せ金を利用していることが銀行にバレると、融資の審査は絶対に通過できません。信頼を失ってしまい会社設立後にお金を調達できなくなります。

なお、資本金に見せ金を利用していると、どの金融機関でもほぼ100%バレてしまいます。審査に落ちるからと申し込めば申し込むほど、多くの金融機関からの信頼を失ってしまうのです。

一度金融機関からの信頼を失うと、見せ金が解消されても融資を受けるのは厳しくなります。今後の金融機関との付き合いを考えると、信頼を失うのは非常に大きなリスクです。

資本金に見せ金を利用するリスク2:法律違反で処罰される可能性がある

そもそも最初にご説明したとおり、見せ金は法律違反に該当する行為です。会社設立の観点からは、あってはならないと考えるべきです。

そのような行為ですので、特に悪質だと判断されると法律違反で処罰される可能性があります。先ほどご説明した法律に違反していますので、違反者として起訴されてしまう可能性があるわけです。

ただ、実際のところは見せ金を利用して、法律違反で処罰される例は少なくなっています。判例を検索してみてもあまり多くは見つからない状況です。

とはいえ何かしらの理由で見せ金が指摘されてしまうと、法律違反であることには間違いありません。処罰されてしまう可能性は十分にあるのです。会社の発起人が法律違反で処罰される可能性があるのは、会社運営にとって大きすぎるリスクです。

資本金に見せ金を利用するリスク3:会計処理に不都合が生じる

見せ金で問題なく会社を設立できた場合、設立してから見せ金を処理しなければなりません。特に誰かしらからお金を借りていた場合は、資本金から返済をしなければならないのです。会社の会計処理では資本金が外部へと支払われる扱いになります。

この外部への支払いについては、会計上の勘定科目を当てはめなければなりません。当てはめる勘定項目はほぼ限定されていて「役員貸付金」とします。資本金と同額の役員貸付金が発生しますので、非常に不自然な状況となってしまいます。

特に資本金は高額な現金を用意する会社が大半です。数百万円単位でお金を用意して、それを資本金としたり役員貸付金としたりします。つまり、帳簿の中で目立つお金の動きとなってしまうのです。

大きなお金の動きについては、銀行から融資を受ける際などに指摘される可能性が高くなります。そして見せ金については、適切にお金の動きについての理由を述べられません。結果、帳簿に対して不信感を抱かせる原因となり、リスクになってしまいます。

資本金に見せ金を利用するリスク4:会社設立が無効になる

あまり多くの例はありませんが、会社設立が無効になる場合があります。実際、見せ金での会社設立は適切な会社設立の処理ではないとして、会社設立が無効になった判例が存在します。

ただ、会社設立が無効になるところまで、見せ金の問題が大きくなる可能性はほとんどありません。あくまでも金融機関から融資を受ける際に問題になる例が大半で、会社設立の手続きが無効化されるところまでの訴訟に発展するのは稀なのです。

とはいえ、見せ金との違法行為で会社を設立していると、いつこれが指摘されるかわかりません。そしてそれが原因となり、会社設立の手続きに影響が出てしまうかも分かりません。非常に稀だとは考えられますが、見せ金が会社設立自体に影響を与える可能性があり、これもリスクのひとつです。

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まとめ

見せ金は会社設立の資本金を、借り入れた資金でまかなうことです。本来資本金は自己資本でなければなりませんが、借入金を利用して一時的に資産を作り、会社を設立してからすぐに返済するのです。

ただ、見せ金を返済するためには、銀行からの融資を受けなければなりません。この融資の審査において、見せ金を利用するとほぼ100%バレてしまいます。バレると融資の審査に通過できなくなり、会社運営に大きな影響を与えます。また、それ以外にも常にリスクを抱えながら会社を運営をしなければなりません。

非常に多くの問題がありますので、会社設立で見せ金を利用してはなりません。違法行為ですので、他の手段で資本金を調達しなければならないのです。もし、この資本金の調達方法がわからなければ「経営サポートプラスアルファ」にご相談ください。会社設立で困りやすい、資本金の調達方法から実際に会社設立をする際の書類作成まで、幅広くサポートします。

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