設備屋で働いていると独立を考える人がいるでしょう。
独立すれば年収が上がるイメージもあるため、思い切って独立してみたいと考える人がいるかもしれません。
確かに設備屋はスキルがあれば独立が可能です。
ただ、実際にはスキルだけで独立できるのではなく、様々な準備をして独立することになります。
今回は設備屋での独立を考えている人に向けて、独立する方法についてご説明します。
設備屋の独立は資格が必要となるのか
独立する際に意識する人が多いのは、独立するために専用の資格が必要となるかどうかです。
何かしらの資格が必要になると独立する際のハードルとなってしまうため、そのようなものがないかについてご説明します。
業務内容によって左右される
設備屋として資格が必要となるかどうかは、対応する設備の内容によって異なります。
資格が必要ないものもあれば必要となるものもありますし、資格を持っていても扱える業務と扱えない業務があります。
そのため、設備屋として資格が必要となるかどうかは一概には言い切れない状況です。
ただ、基本的に設備屋として活躍するならば、扱う設備に沿った資格を取得しなければなりません。
資格なしで扱える設備はほとんどないと考えてよいでしょう。
どの資格が必須となるかの断言はできませんが、何かしら資格が必要になるものだと考えておくべきです。
設備屋に必要となる資格の例
どのような資格が設備屋に必要となるのか具体例を紹介します。
電気工事士
電気設備を扱う設備屋として独立するならば、基本的には電気工事士が必要です。
こちらの資格を保有していなければ、設備屋として独立しても電気関連の工事を扱えません。
電気工事士には第二種電気工事士と第一種電気工事士があります。
取得する資格によって扱える工事内容が異なるため、関係設備屋として独立する前に必要なものを取得するようにしましょう。
第二種電気工事士では、一般的な住宅などの工事を扱えるようになります。
設備屋として最低限の仕事がしたいならば、こちらの資格を取得しておくとよいでしょう。
第一種電気工事士では、マンションなど大規模な工事を扱えるようになります。
最初からこちらの資格を取得するのではなく、事業規模の拡大に応じて属するような計画にしておいてもよいでしょう。
ボイラー技士
空調などボイラーを扱う場合に必要な資格です。
こちらは三段階のレベルに分かれていて、取得するレベルによって扱えるボイラーの種類が異なります。
様々なボイラーを扱いたいならば、対応範囲が広がる2級の取得をおすすめします。
設備士に必要な資格の中でも、合格率が高く実用性の高いものです。
特に独立して空調関係を扱うことを考えているならば、設備屋として独立する前に取っておいて損はありません。
冷凍機械責任者
冷凍設備に用いられているガスの保安業務に関連する資格です。
空調系の設備屋として独立するならば、利用する機会があるため取得しておいて損はありません。
冷凍設備にも種類があり、取得するレベルによって取り扱える設備の内容が異なります。
幅広い設備を扱いたいならば第一種を取得するべきですが、まずは気軽に取得できる第三種からチャレンジしてみても良いでしょう。
設備屋に建設業許可は必要か
設備屋のように工事に関わる仕事に関連するのが、建設業許可の取得です。
こちらは資格ではなく許可であるため、申請をして許可をもらえるかどうかが重要となります。
続いてはこちらについてもご説明します。
設備屋に建設業許可は必須ではない
設備屋は工事を取り扱う職業ではありますが、独立にあたって建設業許可は必須ではありません。
建設業許可は申請するための準備が複雑であるため、建設業許可なしに受注できるのはメリットだと言えるでしょう。
イメージとして設備屋のような仕事は、建設業許可が必要になると思われがちです。
あくまでもそれはイメージであり、実際には建設業許可は必須ではないため心配する必要はありません。
状況によっては建設業許可が必要となる
上記でご説明したとおり設備屋として独立するにあたって建設業許可は必須ではありません。
ただ、状況次第では建設業許可を取得しなければならない可能性があります。
具体的には受注する案件が500万円以上になると、建設業許可を取得しなければなりません。
設備屋に限らず建設に関する業界では、案件の単価が500万円以上になると建設業の対象となります。
高額な案件の受注を考えているならば、建設業許可を取得しなければなりません。
ただ、500万円以上ではない案件については、ご説明したとおり建設業許可が必要ありません。
そのため最初から建設業許可を取得するのではなく、事業拡大の際に建設業許可を取得しても遅くはないと思われます。
設備屋として独立するまでの道のり
具体的に設備屋として独立するためにはどうすれば良いのでしょうか。
ある程度は決まった道のりがあり、例を挙げると以下のとおりです。
- 設備屋としての実務経験を積む
- 独立するための計画を立てる
- 独立の手続きを進める
- 設備屋で必要なものを調達しておく
- 必要に応じて資格を取得しておく
具体的にどのような道のりであるのかご説明します。
独立までの道のり1:設備屋としての実務経験を積む
これから設備屋として独立したいならば、まずは十分な実務経験を積まなければなりません。
実務経験なしにスキルを高めるのは難しいため、実践的なスキルを身に付けるようにしていきましょう。
また、実務経験がなければ案件を受注するための人脈なども作りにくくなります。
対外的な評価もあまりよくないため、必ず一定期間は実務経験を積みましょう。
これから独立を考えるならば、常に高品質な仕事をしなければなりません。
急いで独立したい気持ちは分かりますが、急がば回れで十分なスキルを身につけてから独立するようにしましょう。
独立までの道のり2:独立するための計画を立てる
十分なスキルが身に付けば実際に独立へと動き出していきます。
独立する際は個人事業主と法人の選択肢があるため、どちらにするかを考えて計画していきましょう。
個人事業主と法人の選択は非常に重要で、それぞれにメリットとデメリットがあります。
例えば個人事業主は独立の手続きは簡単ですが、社会的信用力が低くなっています。
それに対して法人は独立の手続きは煩雑で費用もかかるものの、社会的信用力が高くなっています。
設備屋は個人でも法人でも独立できるため、どちらが良いとは一概には言えません。
売上など他の観点からも考える必要があるため、総合的に考えてどちらにするか決定するとよいでしょう。
自分での判断が難しい場合は、専門家に相談してみるのも一つの手段です。
独立までの道のり3:独立の手続きを進める
どのように独立するか決定すれば、決定した内容に沿って手続きをしていきましょう。
個人事業主の届出や法人登記をしなければならないため、自分でこれらの作業をしていきます。
個人事業主の届出は難しいものではなく、税務署に対して「開業届」と呼ばれる書類を提出するだけです。
こちらの書類を1枚提出すれば完了するため、特に心配する要素はないでしょう。
なお、届出する際に「青色申告承認申請書」と呼ばれる書類も一緒に提出すれば、確定申告の際に節税ができます。
法人の場合はこのように簡単な作業ではありません。
まず、設備屋として独立するために10種類程度の書類作成が必要です。
どのような法人を設立して独立するかによって左右されるものの、専門的な書類を多く作成しなければならないのです。
また、法人を設立する際には資本金の用意が必要です。
独立するタイミングで現金が必要となるため、こちらについても用意するようにしておきましょう。
必要な書類が揃えば法務局に提出をして、やっと独立の手続きが完了します。
なお、イメージされていると思いますが、法人登記の手続きを自力でするのは負担のかかるものです。
そのため、設備屋として独立するにあたって会社設立をしたいならば、経営サポートプラスアルファにご相談ください。
手数料無料で24時間会社設立を受け付けているため、皆さんの独立を大きくサポートできます。
独立までの道のり4:設備屋で必要なものを調達しておく
独立する手続きと並行して、設備屋に必要なものを調達しておきましょう。
設備屋として活躍するためには、仕事に対応するための機器などを用意しなければなりません。独立すると全部自分で調達する必要があるため、計画的に準備を進めましょう。
調達するものによっては、法人名義で契約しなければならない場合があります。設備屋として独立する際に法人を選択しているならば、備品の購入タイミングなどに注意しましょう。例えば自動車などは法人名義で購入するのが一般的であるため、会社設立前に購入してしまうのは望ましくありません。
独立までの道のり5:必要に応じて資格を取得しておく
こちらについても独立の手続きと並行して対応して差し支えありません。
設備屋は様々な資格が必要となるため、独立する前に取得できるような段取りとしておきましょう。
特に皆さんに意識してもらいたいのは、必要な資格は自分で取得しなければならないことです。
独立する前のように複数人で働いていると、自分の代わりに誰かが資格を取得して仕事をこなしている可能性があります。
しかし、独立してしまうとこのような人がいなくなり、自分で資格を取得しなければならなくなります。
今までと状況が異なってしまうため、他の人が取得した資格がないかも含めて確認しておきましょう。
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まとめ
設備屋で独立する方法についてご説明しました。
設備屋として独立する際には仕事内容に応じて資格が必要となるケースが多く、事前に準備をして計画的に進める必要があります。
また、設備屋は独立するにあたって必要な機材や工具などを購入する必要があります。
資金的に負担がかかる可能性も大きいため、この点も意識して独立を進めて行かなければなりません。
なお、独立する方法は個人と法人の2種類があります。
どちらでも設備屋として活躍できるため、メリットやデメリットを踏まえて自分に合ったものを選択するようにしましょう。
ただ、法人として独立するならば、法人登記が必要となり手続きに負担がかかります。
そのため、法人で独立したい場合は経営サポートプラスアルファにご相談ください。
会社設立のプロが設備屋として独立する皆さんをサポートします。